夏休みの旅行やアウトドアでのレジャーなど、楽しい事があふれている夏。でも、ワクワクした気分とは裏腹に、カラダが重くてついてこない、なんとなくだるさが続く、なんていうことはありませんか?病院に行くほどではないけれど、疲労感がとれにくい…「夏はそういうものかな」とあきらめるのは、待って!夏におすすめの生活のポイントをご紹介いたします。
東洋医学では、夏は「心」(しん)の季節とされています。気温が上がり、暑さが増すことで「心」が弱ることがあります。日々、「心」を養うことで、夏を元気に乗り越えられるようにしましょう。
気持ちの高ぶりに気をつけて
夏は、ほかの季節と比べると、気持ちが開放的になりやすいものです。楽しいこと、うれしいことがあるのは良いことなのですが、気持ちの高ぶりが極端になったり、それが長く続いたりすると、気血のめぐりに影響を与えて、「心」の働きを妨げたり、弱めてしまうことがあります。
また、暑い日が続くことで、体に熱がこもりやすくなります。「心」が弱ったり、熱がこもったりすることで、次のような症状があらわれやすくなります。
・暑さに弱くなり、体調を崩す
・なんとなくモヤモヤとした気持ちが消えない
・気持ちが不安定になり、眠りの質も落ちる
・顔に熱がこもり、のぼせやすくなる
夏こそ睡眠を見直そう
毎日暑くて寝つきが悪い、ぐっすり眠れないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。眠りの質が落ちることで疲れが取りにくくなり、日中やる気が起きなくなることも。また、「心」が弱ってくると、夢をよく見るようになり、眠りが浅くなります。そのような場合は、寝室の環境を整えるとともに、できるだけストレスをためないように気をつけましょう。夜は、部屋の明かりを暖色系にしたり、間接照明に切り替えたりすることで、副交感神経を優位にし、眠る態勢を整えるのもよいです。ぬるめのお湯につかるのもおすすめです。
元気に夏を乗り切るためには、毎日の養生が必須です。小さなことでもコツコツと気をつけて過ごすことが、夏の暑さにも負けない体になる秘訣。今年の夏はいつもより養生を意識して過ごしてみましょう。
「心」のための真夏の過ごし方ポイント
・睡眠時間をしっかり確保して、疲れは持ち越さないようにしましょう
・適度な運動でエネルギーを発散して、適度に汗をかきましょう
・心をゆるめて、リラックスする時間を確保しましょう
・夏野菜はこもった熱を冷ます強い味方。献立に取り入れましょう
真夏の食養生
暑い日が続くと、のどごしの良い冷たい麺類やサラダなどが多くなりがちです。冷たいものばかり食べていると、内臓が冷えて消化吸収能力が低下します。また、麺類には糖質が多く含まれているため、糖質の代謝に必要な体内のビタミンB₁を大量に消費することで疲れが取れにくくなり、「なんとなくだるい」の原因にも。夏こそ温かいものを意識して食べ、内臓の冷えを予防しましょう。
心を養うために、体の余分な熱を冷ます「苦味」が必要です。「苦味」を持つものに加え、涼性、寒性のものを取り入れて、体調を整えましょう。
夏におすすめ「苦味」の食材
にがうり (寒) オクラ (平)
セロリ (涼) ラッキョウ(温)
緑茶 (涼)
にがうりは寒性、セロリは涼性のため、平性や温性の食材と組み合わせて献立を考えてみましょう。