あんなに暑かった夏も、だんだん朝晩が涼しく感じるようになりました。秋ですね。東洋医学では、秋は「肺」の季節とされています。湿度が下がり、乾燥することで、肺の働きが弱まることがあります。秋は、肺を養い、バリア機能を低下させないことが大切です。
呼吸を意識しましょう!
肺は、呼吸をするときに、二酸化炭素と酸素を入れ替えます。新鮮な酸素と、食事から取り入れた栄養素が結びつくことで、エネルギー(気)が生み出されます。
深い呼吸によって、気がしっかりとめぐり、からだのバリア機能を高め、維持できます。肺が弱って、呼吸が浅くなると、次のような症状があらわれやすくなります。
- かぜを引きやすくなる
- アレルギー反応が出やすくなる
- 鼻水、鼻づまり、せき、痰が出やすくなる
- 気持ちが落ち込み、ふさぎこむようになる
- 肌が乾燥しやすくなる
肺を守る生活習慣
冷房を使っていると、室内の湿度は、思っているよりも低くなっています。
快適に過ごせる湿度は、40~60%とされており、40%以下では、目や鼻、のどなどの乾燥を感じ始めます。肺は、乾燥に弱いため、空気が乾燥しているところで長時間過ごすことは避けましょう。乾燥を助長させないよう、秋は大量の汗をかく運動や長時間のサウナなども控えたほうがよいです。
肺が弱ると、「悲しみ」や「憂える」といったネガティブな感情が過度になったり、声が小さくなったりします。からだからのサインを見逃さないよう、ゆったりとした気持ちで過ごすことも大切です。
また、肺は、五労の「久臥」に属しています。「眠りすぎ」も肺を弱めてしまうため、休息をとることは必要ですが、過眠にならないようにしましょう。
肺のための秋の養生
- 早寝早起きを心がける
- 適度な水分補給、加湿で、乾燥を防ぐ
- 呼吸に意識を向け、定期的に深呼吸を
- うるおいを補う働きのある食材や、気のめぐりをよくする食材を取り入れましょう
秋の食養生
「食欲の秋」といわれているように、秋は食欲が旺盛になる方も多いのではないでしょうか。食べ過ぎには気をつけて腹八分目を心がけましょう。
また、夏の疲れが残っていて食欲がなかなか戻らないという方は、消化がよく、気を補うものを、献立に取り入れてみましょう。
肺を養うためには、気のめぐりをよくする「辛味」や、からだをうるおしてくれる働きをもつものが必要です。気が滞ることや、からだが乾燥することで、便秘になることもあります。不溶性・水溶性の食物繊維も意識して食事に取り入れましょう。