むくみの漢方

長時間の立ち仕事で足がむくんだり、お酒を飲んだ翌朝、顔やまぶたがむくんでいた、・・・。こんなことが起こることはないでしょうか?月経前の黄体ホルモンの分泌が盛んなときにも、ホルモンの影響で水分をため込みやすくなり、全身がむくんだり重だるくなったりされる方もいらっしゃいます。

むくみとは?

人間の体の約60%は水分で、細胞内のほか、血管、リンパ管中に存在しています。これらの水分は、細胞に栄養を送ったり、老廃物を除去する役割を担っています。細胞や血管の中を行ったり来たりして体内の水分バランスも保っています。

ところが、この水分バランスが崩れ、細胞と細胞の間に水分が滞ってしまったり、血液中の水分が血管の外に異常に漏れてしまうことがあり、それが「むくみ」につながります。医学用語では、浮腫(ふしゅ)といいます。

漢方で考えるむくみ

漢方では、むくみは水滞(水の流れが悪くなること)によって起こると考えます。水分代謝にかかわる“腎”の機能が低下して、余分な水分を尿として排出できなくなり、むくみが生じます。これは、特に下半身に見られるむくみで、おなかの冷えが大きな原因です。

また、胃腸が弱い人も、体に湿気をためやすくなって、顔や手足がむくみがちになります。

むくみは、体からのサインです。まずは体を温めて、ゆっくり休息をとるようにしましょう。

おなかや手足の冷えに気をつけて

“腎”は、疲れすぎると機能が落ちるので注意が必要です。

口が渇き、おしっこの量が減ったときは、“腎”が弱まっています。放っておかずに、早めに対処しましょう。

体を冷やすことはいちばん避けたいことなので、まずは冷えの改善を心がけて、体を温める食材をとり、半身浴や足湯で体をしっかり温めましょう。

利尿効果抜群の食材でむくみ解消

黒豆、小豆

煮汁に成分が溶け出しているので、煮豆は汁もいっしょに食べましょう。また、煮汁でご飯を炊くのもおすすめです。

はとむぎ

はとむぎには、胃腸のはたらきを高める作用や、利尿効果があります。煎じてお茶として飲んだり、硬くゆでてお米に混ぜて炊き、はとむぎご飯にしてもよいでしょう。

「むくみ」に効果的な漢方処方

五苓散、防已黄耆湯、当帰芍薬散、牛車腎気丸、八味地黄丸 など

むくみのご相談は

さまざまなタイプのむくみがあります。

当薬局では漢方専門の薬剤師がおひとりおひとりから丁寧にお話をうかがい、どのタイプに当てはまるかを慎重に判断し、ベストの漢方薬をおつくりしています。(いくつかのタイプが合わさっている方や、上記とは別のタイプの方もいらっしゃいます。)

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