6月に入り、雨に火が続いた関東では、梅雨入りし、北部九州でも来週には梅雨入りかと言われています。5月までのさわやかな気候から、これからは曇りや雨の日が多く、ジメジメした気候になります。梅雨は、天候もどんよりしていますが、体も心もどんよりし、だるかったり、頭痛がしたり、めまいがしたりとジメジメ不調が出やすくなります。
「ジメジメ不調」と湿度の関係
梅雨は、湿度が高く、からだの中もジメジメして、余分な水分が停滞しやすくなります。この時期に悪化する皮膚病は、患部がジクジクして分泌物が多いのが特徴ですし、リウマチや神経痛は、重だるく痛み、くもりや雨の日に悪くなる傾向です。漢方では、人体に悪影響を及ぼすものを「邪」ととらえ、ジメジメした湿度により体が影響を受けているものを「湿邪」といいます。「湿邪」が体の中に入り込むと、主に、だるさ、頭重感、食欲不振、胃もたれ、吐き気、むくみ、発疹などの不調が出やすくなります。
梅雨の体調不良は湿気が原因?
梅雨は、ジメジメした気候により、気の巡りも悪くなり、気分も滅入って落ち込みがちに。「湿邪」は、脾の働き(胃腸を含めた消化器全体の働き)を鈍らせ、胃腸の不調を引き起こしやすくします。
「ジメジメ不調」の解消法は?
梅雨の時期は、「湿」が溜まりやすいため、「水滞」体質(水はけの悪いタイプ)の方が体調を崩しやすくなります。漢方薬では、水分代謝を良くするものが使われます。普段から胃腸が弱い方も注意が必要です。
水滞(水はけが悪い)タイプチェック
- 身体が重だるい
- 頭重感・頭痛がある
- 胃がムカムカしやすい
- むくみやすい
- 痰やつばが出やすい
- めまいや動悸がする
- 乗り物酔いしやすい
- 軟便、下痢しやすい
- 舌苔が厚く、べたっとしている
- 湿気に弱く、梅雨に体調が悪くなりやすい
特に湿気の多いこの時期は水の巡りが悪くなりがちです。水の巡りが悪くなると、体に入った水分がうまく排泄されず、余分な水分が溜まりやすくなってしまいます。毎年症状が出やすい方は意識的なケアを心掛けることで症状の予防につなげていただければと思います。
梅雨の漢方生活ワンポイント
冷たいものや生ものの摂りすぎは、体内の湿を増やし、「湿邪」につながってしまうので摂りすぎに注意しましょう。
食品が傷みやすい時期でもありますので、できるだけ火を通して温めて食べることをおすすめします。
また、冷房で冷えると、寒暖差で体調も崩しやすくなりますので、冷えを感じたら薄手のカーディガンやストールを羽織るようにしましょう。
薬膳では、余分な水分を排出する、ハトムギや小豆などがおすすめです。暑くなって、熱や湿の影響が気になる場合は、体を冷ますきゅうり、とうがん、とうもろこしなどを取り入れてみましょう。
ジメジメ不調でお困りの方は
だるさ、頭重感、頭痛、めまい、食欲不振、胃もたれ、吐き気、むくみ、発疹などの不調は、梅雨から夏にかけてとても不快な症状です。
当薬局では漢方専門の薬剤師がおひとりおひとりから丁寧にお話をうかがい、どのタイプに当てはまるかを慎重に判断し、ベストの漢方薬を処方しています。(混合型や、上記とは別のタイプの場合もあります。)ご相談くださいませ。