冬の漢方・養生法 その1

 寒さが到来し、本格的な冬を迎え、感染症が流行し始めています。冬は、夏とは対照的に活動を抑えてゆっくりと過ごす季節です。あまり頑張り過ぎず、ゆったりとした気持ちで過ごすのが理想的。そうすることで、春に向けてエネルギーをしっかり蓄えることにつながります。

日本の冬の特徴と過ごし方

日本の冬は寒さが厳しく、乾燥しやすいのが特徴です。特に、寒さは体にとって大きなストレスになります。臓器としては、循環器系に影響を与えます。寒い季節は体温を上げる必要があるので、心臓にかかる負担が他の季節に比べて大きくなります。また、寒さから体を守るために毛細血管が収縮し、血圧も上昇するようになります。そして、脳血管にも影響し、脳卒中などの病気が起こりやすくなるのです。冬は、高血圧のご相談も多く、先日お笑いタレントの方の脳梗塞ニュースも目にしました。

寒い季節には、気(エネルギー)は内に集まります。寒さから身を守ることのほかに、もうひとつ重要な目的があります。それは生命力を内に集めて春や夏に消耗したものを回復し、各機能を修復して、次の季節へつなげていくというものです。

漢方の古典『黄帝内経』では、冬は草木が枯れ落ち、穀物は倉(蔵)の中にしまい込まれ、動物は冬ごもりするように、すべて閉塞して陽気(エネルギー)を外に出さない季節なので、冬の3カ月のことを「閉蔵」といい、冬の養生を次のように述べています。

「この季節には、気を鎮めてひそやかな気持ちで過ごし、早く寝て朝は日の出るのを待って起き、じかに寒さに当たらないように体を温め、過労して汗をかかないようにする。これが冬の季節に調和した養生法である。もし、養生法に逆らって、精神を動揺させたり、寒さに当たったり、過労して汗をかいたりすると、五行による冬に配当する臓器である腎を傷害したり、春になって手足が冷えて萎えてしまう」

とにかく冬は、寒さから体の陽気を守ることが大切です。かといって逆に暖房などで部屋を暖かくしすぎると体表部を開き、かえって陽気の発散を強めてしまいます。部屋の温度は少し低めに設定して皮膚の扉を閉じ、衣服を工夫して体から熱が逃げないようにしましょう。

冬は「寒邪」が原因となり、影響を受けるのは腎臓・膀胱系

冷えによって頻尿になったり、夜間排尿の回数が増えたりするのは自覚できることです。漢方では、腎は冬に属し、腰や骨などは腎の統括下にあるものと考えられています。そのため、腎の働きが衰える冬には手足や肩、腰、膝などの運動器のトラブルも起こりやすくなります。これらの部位に持病がある方は、体の状態に気を配り、冷やさないようにして過ごすことが大切です。

 

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